コラム【実録 支援の現場!】

借金

相談者:46歳 男性「死んで借金を返済しようとした経営者」 相談者:46歳 男性「死んで借金を返済しようとした経営者」

負債をかかえ、連帯保証人に迷惑をかけず死のうとした

相川さん(仮名)は父親から引き継いだ小さな会社の経営者で従業員は数名。
「もう手形が落ちないことは目に見えている。首をくくって、私の生命保険でどうにかするしかないと思ったけれど死にきれなくて」とここにやってきた。
自己破産すれば、連帯保証人になっている兄弟と妻の親に借金がいってしまうから自己破産はできない。

従業員を守り、家を残す

こういうとき、弁護士はまず銀行や公的機関からの借り入れなどを、大小にかかわらず一括りに処理しようとするが、それは違う。
個人から救わなければいけない。

まず、売掛債権など現金化できるものはすべて現金化して従業員に給料を払い、わずかな退職金も払った。固定資産などもうまく名義を変えるようにした。
連帯保証人になっていた自分の兄弟と、妻の親は、持ち家や預貯金を処分してもらって、彼らに財産がないようにした。それから自己破産した。

弁護士にがんばって交渉してもらって、連帯保証人の負債額を2000万円から800万円にした。
連帯保証人の月々の返済額はそれぞれ2万円ずつ。それを相川さんは連帯保証人の懐は痛まず、恨まれることはない。
それから、現在の家に住み続けられるようにもした。家族にとって住み慣れた土地を離れるのは大変だ。
賃貸契約を結んで、月5万円で住めることになった。

誠意を尽くすことでまた始められる

会社はいろいろなことを経て、縮小して続けられることになり、かつての従業員も「苦しいときに私たちの給料と退職金は払ってくれたから」と再建に協力してくれ、何人かはまた一緒に働いてくれるようになった。
親戚からも「よくこんな最小限の負債で切り抜けた。従業員や親戚や、家族を守って、男気があるやつだ」と評価も高いらしい。

最後まであきらめないこと

書けないような方法も多く駆使するので、ササッと書いてしまったが、もちろん、スムーズに解決できたわけではない。時間もかかった。
しかし相川さんは後押しを支えに、最後までへこたれずにがんばったのだ。

死に場所をさまよって死にきれずに来たからこそ、死ねないのならがんばるしかないと覚悟を決めてがんばったのである。
父親のあとを継いでぐずぐずとやってきた相川さんは、「初めて死ぬ思いでやった」と言っていた。
相川さんは、きっとこれから、いい経営者になるだろう。

借金に立ち向かうエネルギーを与えること、二度と借金地獄に陥らないように、強さを与えることは、相談を受けるときにおいて、とても大事なことである。

ここがPOINT

このケースで大事なことは、「だれを救うのか?」を明確にすることである。
もちろん、相川さんを救うことが一番の優先順位である。
そして、相川さんや周りの人たちが、つつましくも元気に生きていけるように知恵を絞ることが大切なのである。

銀行や公的機関への借金返済を優先して、一方で借金が踏み倒されたり給料が支払われなくなって不幸になる人を増やすような解決策は愚の骨頂である。
相談者に、自分で問題を解決できるような力をつけさせることも大切なことだ。

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