コラム【実録 支援の現場!】

自殺

相談者:42歳 男性「会社のお金を着服。そして歌舞伎町へ」 相談者:42歳 男性「会社のお金を着服。そして歌舞伎町へ」

魔がさして・・社長の信頼を裏切ってしまったと自暴自棄に

仕事の為、地方から上京して数年。趣味は競馬。
ある日、仕事で集金に出かけ、その帰り道、魔がさして集金したお金の一部(60万円)を盗んでしまった。
その後、発覚。オーナーと堅い約束をし、盗んだお金は給料から少しずつ返すということで許してもらったのだが・・・

師走の歌舞伎町で迷走する中年男性

師走の忙しい最中、男性は駆け込み寺の扉に手を伸ばした。
温厚そうな中年の男性、山下さん(仮名)は、一度も目を合わすことなく、「相談したいことがあるのですが」と俯いたまま小声で話す。

話を聞いてみると、東京近郊で住み込みの仕事をしていたという。東北出身で、7年前に訳あって上京した。
同じ業種の仕事でも関東の方が高賃金だからという理由だ。

少し落ち着きを取り戻したので、話しを聞いてみると、7年勤めた会社のお金を着服してしまったらしい。
それも今回で2度目。1度目のお金を返す間もなく、同じことをしてしまい、帰るに帰れなくなり、1週間前に歌舞伎町に辿り着いたという。
何故、そんなことをしてしまったのかと問いただすと、この不況で年々給料が下がるし、ノルマも厳しくてそんなプレッシャーから不眠症に悩んでいたと話す。
そして、大好きなギャンブルを、気晴らしでやってしまったのだろう。

答えは既に決まっていた

話は前後するが、ここは歌舞伎町、悩みを抱えて地方から“歌舞伎町”にくる方は一目で解かる。山下さんも以前から気になっていた。毎日、毎日、“駆け込み寺”の前を通りすぎては、戻り、また通り過ぎる、それを繰り返していたからだ。

“駆け込み寺”にくる人は、そういう人が多い。ただ、こちらとしては“駆け込み寺”の扉に手を伸ばしてこなければ救えない。
山下さんにこれからどうしたいか尋ねると、本人は、死ぬ前に東洋一の歓楽街“歌舞伎町”に足が向いたという。

その後、こちらで質問等を投げかける、どこでいつ死ぬのか、両親はどうするのか、それらに答えていくうちに、自分の頭が整理されてくる。
そして、最後にさらっと伝える、まずオーナーに電話したらどうかと、何をするにせよ、それからでもいいじゃないかと。
そして、山下さんが近くの公衆電話でオーナーに電話すると言うので、その場所を教えた。

後日、山下さんから連絡を頂き、オーナーの温情で今まで通り働けることになったと、御礼の電話があった。

自分で始末をつける癖を身につけてほしい

「始める」ことはだれでもできるが、「終わる」ことができないからみんな困っている。
終わらせることができずに逃げてしまう人、他人に依頼する人も多い。

たとえば結婚したのなら、離婚も自分ですべきところを、弁護士に頼むから揉めるのだ。
「嫌いになった」と言えないから逃げる。そうすると、相手は憎しみを持って追いかけるのだ。
どんなに相手から非難されようと、自分で頭をさげて謝る。
何事でも、一度自分で選んだことなら、最後もはっきりと自分で区切りをつけたら良い。
それが無謀でも何でも、自分の決めたことなら自分で始末をつける。自分でやる癖をつけなければいけないのである。
一つひとつ、終わらせて、ちゃんと蓋を閉めていく。自分の手で責任を持って蓋を閉めなければいけない。

ここがPOINT

一番大切なことは、弱い自分と決別すること。現状を認識し、しっかりと事実を受けとめさせる。
自分が犯したことをしっかりと捉え、決して逃げない。本人が逃げずに始末をつけるという方向に持っていく。
不安を取り除く為には、まずしっかりと話しを聞く、そこから始まる。

相手側には、まずは謝罪。誠意を尽くし話しをすること。
そして、勿論当然であるが、補填をどのようにするかも誠意を持って話しをすること。

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