借金とギャンブル依存|2016年9月の相談

日本に限らず、ギャンブルというのは楽しみの一つでもあり、古くから一般的にレジャーとして親しまれてきました。今月は特に「借金」と「ギャンブル」、「生活苦」という相談案件が重なりました。ある男性は結婚していた頃、ギャンブルに全財産を注ぎ込む生活が続き、結果的に婚姻生活が破綻しました。
はじめは自身の給料の範囲内で収まっていたそうですが、徐々にそれだけでは抑えられなくなり、身の周りの金品を換金したり、家族が大切にしている物をこっそり売却したお金をギャンブルに費やしていたそうです。その後、家族には内緒で、返す当てもないまま消費者金融から借金をしてギャンブルに充てる→借金返済のためにまた別の消費者金融から借金をする…というスパイラルから抜け出せなくなり、相談のため来所されました。
このプロセスに至るまでに、周囲に対する後ろめたさから「常習的に嘘をつく」→「周囲の人を(悪気がなくても)繰り返し裏切る」→「自分ではどうにもならなくなり、人生に失望する」という連鎖が日常化していきます。そうして社会生活を送ることに困難が生じ、特に恋人や家族といった身近な人との関係が徐々に破綻し始め、周囲にいる人を振り回しては失望させてしまうのです。
そういった状態が長く続き社会から孤立していくと、最終的には他の依存症同様にあらゆる疾患や自死という結末が起こりやすくなります。はじめは「健全なギャンブラー」として社会生活に支障を来していなくても、コントロールできない「病的賭博(ギャンブル依存症)」に向かっていることは有り得ます。依存症は病気で、何に対して「快楽」や「報酬」を得ているかという、脳内の変化によって種類が異なります。決して、「当事者の意志の強さ・弱さ」で節制できたり、打ち勝てるものではありません。
相手は変えられなくても、自分は変わることができます。依存症の当事者に自覚がない場合は、一番近くで巻き込まれている方から先に、専門家や(依存症からの)回復者に助けを求め、適切な治療やアドバイスを受けることができます

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